原発処理水を海洋放出へ!その影響とは?-政府が決断-

時事問題

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政府は22日、気象条件などに支障がなければ24日に原発処理水を海洋へ放出し始めることを決めました。
そこで、本記事では原発処理水を海洋放出することの安全性、またそれにより引き起こされる影響について解説していきたいと思います!

この記事で分かること…

  • 処理水放出決定の経緯
  • 原発処理水を海洋放出することの安全性は?
  • 原発処理水を海洋放出することによって、引き起こされる影響は?

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処理水放出決定の経緯

まず最初に、今回なぜ原発処理水を海洋へ放出すると政府が決断したのか、その経緯を説明していきたいと思います。

処理水を敷地内で保管できる量にも限界があるため、どう処分するかが課題となり、国のもとに設けられた有識者らによる組織で、原発処理水をどう処分するのか検討が始まったのは2013年でした。

その後、2020年に有識者らは、処理水を基準を下回る濃度に薄めるなどし、海に放出する方法と、蒸発させて大気中に放出する方法のいずれかが現実的で、海に放出するほうが確実に実施できるとした報告書をまとめました。

これを踏まえ、2年後をめどに放出を開始する準備を進めるとともに、IAEA=国際原子力機関による調査を受けることになりました。

そして今年7月に、IAEAが処理水の放出計画は「国際的な安全基準に合致している」とする報告書を公表したのに加え、海に放出する設備も必要な検査に合格し準備が整いました。

しかし、原発処理水を海洋放出することによる漁業関係者などからの反対や、周辺国にも反対や懸念の声がありました。
このような意見に対して、政府は国内外へのできるかぎりの説明や情報発信は尽くしてきたとする一方、処理水を保管できるスペースはなくなりつつあり、これ以上は計画を先送りできないとして、今回の放出開始を決めました。

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原発処理水を海洋放出することの安全性は?

次に、原発処理水を海洋放出することの安全性について解説していきたいと思います。

まず、そもそも原発処理水とはどのような水なのか?どんな物質が含まれているのか?から説明していきます!

原発処理水
2011年の東日本大震災の災害でメルトダウンした福島第一原発1号機、2号機、3号機では、溶け落ちた核燃料を冷やすために現在も水を入れ続けており、さらに地下水や雨水が原子炉建屋内に流れ込んでいるため、1日およそ90トンのペースで「汚染水」が発生しています。
汚染水に含まれている放射性物質の大半はALPS(多核種除去設備)と呼ばれる専用の設備で除去されますが、取り除くことが難しい「トリチウム」など一部の放射性物質を含んでいる水を「処理水」と呼んでいます。

処理水に含まれる放射性物質「トリチウム」の特徴
・トリチウムは「水素」の仲間
・自然界でも生成され、雨水や水道水、大気中にも存在している
・原子力施設などで人工的に生成され、管理されたかたちで海洋や大気などに排出されている

トリチウムが人体に与える影響
皮膚も通過できないため、外部被ばくによる人体への影響はありません。 また、体内に入っても水と一緒に最終的に排出されるため、体内で蓄積・濃縮されることはありません。

また、今回の海洋放出は、処理水を海水で薄めてから放出し、その際のトリチウムの濃度は、1,500ベクレル/リットル未満と定められています。これは日本の安全基準の40分の1、世界保健機構(WHO)が定める飲料水ガイドラインの7分の1であり、日本政府は、処理水の海洋放出が人体や環境に及ぼす影響は、自然界から受ける影響と比べても極めて小さいと発表しています。

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原発処理水を海洋放出することによって、引き起こされる影響

最後に、今回の原発処理水を海洋放出することによって、引き起こされる影響について述べていきたいと思います。

まず、予想される影響として風評被害が挙げられます。
日本政府は、処理水の海洋放出が人体や環境に及ぼす影響は、自然界から受ける影響と比べても極めて小さいと発表していますが、放射性物質を少しでも含む水を海に流すことについて、私たち一般市民にとっては抵抗があります。

そのことによる風評被害によって、原発周辺で漁業に携わる人にとっては、海産物の売り上げに大きな影響があると予想されます。
原発周辺で漁業に携わる人の意見:
「誰一人として、納得していないのにおかしい、みんな反対だ」と憤りをあらわにしています。

さらに、近隣国の中国では「処理水」を「汚染水」と表現して強く反発し、日本産食品の輸入規制を強化する動きをみせています。

まとめ

本記事では、原発処理水を海洋放出することの安全性や、影響を説明してきました。
原発処理水を海洋放出することについて、たくさんの人の意見があると思います。

原発処理水を海洋放出することにより、引き起こされる風評被害などの影響に対して、今後の政府の対応が注目されます。

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